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パイラン
映画館街には数多くの映画が封切られては消えていきます。 こんな状況でヒットしなかった映画が観客たちの記憶に残るというのは非常に難しいでしょう。 (もちろんあまりにあきれた場合にはヒットした映画よりもっと記憶に残ることもあります。(^^;)) ところでヒットもしなくて封切られてから1年が過ぎたのに映画ファンが自主的にサークルを作って活発に活動するサイトがあります。 それが「パサモ」だが『パイランを愛する(サランハヌン)集まり(モイム)』という意味でこの映画を感銘深く見た人達のコミュニティー空間です。 2001年に封切られたこの映画は初めは大きく注目されることがありませんでした。 ただ香港スターのセシリア・チャンが出演するというのが話題になりました。 しかし1年が過ぎた今、パイランは多くの人々が2001年最高の韓国映画として挙げるのにためらわないだけの感動を与えました。
町内のゲームセンターの片隅、煙草をくわえてつまらない恐喝だけを仕事とする男。 チンピラ同期の友達は正々堂々と組職のボスになっているが彼がもらったのは小さなビデオ店だけ。 拳くらいに心も弱くて高校生を相手にするポルノ事業も常に危なげなだけだ。べたべたついた目糞に薄赤く充血した目。 そんな彼の目がきらっと光を放つのは忙しく動き廻るゲーム機の前でだけだ。それで彼はただのチンピラでもない三流のチンピラだ。 そうしたある日、偶然ではないような事件に巻き込まれ、組職のボスと人生をかけた契約をする事になるカンジェ。 夢だった故郷に錦を飾るために彼は難しい決心をするようになるが...そんな彼に英文の意味の分からない一通の手紙が舞い込んでくる。 『カンジェさん...ありがとうございます。カンジェさんおかげで韓国でずっと仕事ができます。ここの人達は皆親切です。 でも一番親切なのはあなたです。私と結婚してくださったからです...』 結婚?...妻?...パイラン...この三流人生にも妻がいた。 お金をいくらか貰うために偽装結婚をしてあげた事を思い出すカンジェ。 一枚の手紙から伝わる何だか分からない暖かさは男を見知らぬ運命のいたずらと向い合うようにするが...

パイランは日本の文壇で一番卓越した語り手として数えられる作家浅田次郎の小説「ラブレター」を原作にしています。三流のチンピラの人生と愛を通じて彼らもキリスト教でいう救いを受けることができると説得力あるように話すこの映画は派手な見どころはないが主人公たちのリアルで人間的な姿に共感することができました。チェ・ミンシクのチンピラ演技は本当に言うまでもない位に立派だったし、セシリア・チャンも本人の長所を精一杯見せてくれることで期待以上の演技を見せてくれました。しかし原作がパイランの死を社会的な問題にまで引き上げて複雑な心理を筋道立てて解いて行った一方、それが負担だったのか映画では重量の中心を主人公の方に移すことで少し軽く(?)演出した点が惜しいがこの映画が伝える感動と余韻があまりにも胸に迫ってくるのであまり気にならないですね(^^)自分を愛してくれる人がどんなに大事なのかを悟らせてくれる映画パイラン。希望を捨てず一生懸命に生きて行く人生が本当に美しい人生ではないかともう一度思わされます。私たち一日一日夢を持ちながら生きていきましょう!





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