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   じーにょの韓国ドラマ雑感62    




 韓国ドラマには”カルトドラマ”と呼ばれるドラマがあります。どういったドラマをそう呼ぶのかと言うと、私も明確には定義できませんが、一般的に.ャストは地味め内容も地味め、ストーリー展開も遅くてイマイチわかりずらい視聴率はイマイチだったが、根強いマニアファンが多い・・・・そんな傾向のドラマがそう呼ばれているようです。つまり、今をトキメく俳優が勢ぞろいしているわけではなく、ドラマチックな展開が盛りだくさんのストーリーでもなく、大きな山場もないままにじわじわと進行し、視聴率の大きな上昇もないまま終わるのですが、見終わってみれば「いいドラマだった〜」としんみりし、時間が経つに連れて他人とその感動を共有したくなって、ネット上で語り合うマニアファンが集まるようになる。それが”カルトドラマ”と呼ばれるドラマの傾向です。今までにそう呼ばれたドラマには「嘘」、「愛の群像」、「勝手にしやがれ」、「僕は走る」、「止まらぬ愛」、「花よりも美しく」、「アイルランド」などがありますが、そのうち「嘘」、「愛の群像」、「花よりも美しく」は女流作家のノ・ヒギョン、「勝手にしやがれ」、「アイルランド」は同じく女流作家のイン・ジョンオクが、それぞれ脚本を手がけています。女性ならではの繊細な感覚と感情表現が、視聴者の感動を呼び起こすカルトドラマを生み出しているのかもしれません。
 
 そもそもカルト・ドラマという言葉を生み出したと元祖と言われているのが「嘘」です。実は私はこの作品を見たことがなく、写真とあらすじ程度の情報しかないので多くは語れないのですが、ストーリーは、ペ・ジョンオク演じる33歳のインテリアコーディネーター、ソンウが、イ・ソンジェ演じる年下で既婚者の同僚ジュニとの愛に溺れるといったものです。女手ひとつで育てられたが堂々と成長し、キャリアを積んだソンウ(ペ・ジョンオク)には、妻子ある男性との不倫の果ての別れと、片親という理由で相手の両親に結婚に反対されるという、過去に2度の辛い別れがあり、一方ジュニ(イ・ソンジェ)には友達のような妻ウンス(ユ・ホジョン)がいるものの、妻のために手に怪我を負って画家の道を諦めたことが、自分でも知らぬうちに心に影を落とし、いつのまにかソンウに惹かれてゆく・・・という、ざっとストーリーを読んだだけでも、どんより暗そうな話です。しかし内容の濃いファンサイトがつくられるほど、熱狂的なファンを生み出したドラマとして知られています。

 ノ・ヒギョン作家の描き出す世界の魅力は、以前とりあげた「愛の群像」のコラムでも書きましたが、家族愛や人情が溢れていること、そしてその愛を温かく、時には激しく印象的なセリフで表現することにあるのではないかと思います。特に裕福ではない家庭環境の中での家族の愛を描かせたら天下一品。あまりの世知辛さに「どうしてこんなに家族が支えあって精一杯がんばってるのに、また不幸が襲うの〜」と、見ている側までも切なくなってきます。そして気がついた時にはもうノ・ヒギョンワールドの術中にハマり、視聴者も家族の一員となって共に涙しているのです。私個人としては2004年に放送されたドラマの中でも屈指の名作を思っている「花よりも美しく」に至っては、見ると必ず号泣して目が腫れるため、外出予定があるときには見ないように心がけていたほどでした。父は愛人を作って家を出て、長女は離婚して子持ちで出戻り、家族の期待を一身に背負ったキャリアウーマンの次女はワケ有りのバツイチ男性と恋に落ち、末息子は乱闘事件で亡くなった兄を殺した犯人を見つけるためにナイトクラブで働き、母は病を患う夫の愛人に自分の肝臓をあげた挙句痴呆に至る・・・と、このドラマもとても文字を読んだだけでは見る気になれないほど重苦しいストーリーです。家族たちは自分が抱える問題のことは棚にあげて、問題を起こした家族をめぐって口論となっては激しい言葉を浴びせるのですが、それも愛情ゆえのこと。相手をののしる言葉の中ですら愛が溢れているので、お陰で視聴者はなぜか家族ケンカのシーンのたびに涙してしまう、という異常現象を引き起こされてしまいます。さらにキャストはコ・ドゥシム、ペ・ジョンオク、ハン・ゴウン、キム・ミョンミン、パク・サンミョン・・・と実力派だけど地味な俳優ばかり。いくら素晴らしいドラマでも、こんなシビアなテーマに渋いキャストでは、なかなか日本のテレビ局は放送してくれないことでしょう。

 一方「勝手にしやがれ」と「アイルランド」のイン・ジョンオク作家は、トラウマや心の傷を抱える人々の物語が真骨頂です。登場人物は傷を抱えるゆえに風変わりで、発するセリフも淡々としているうえに難解なので、視聴者は最後まで気持ちの動きを想像でしか理解できません。特に「アイルランド」に関しては、「どんな話なの?」と尋ねられても明確に答えられず、人物相関図を書けと言われたら、一体どういう風に線を結んでいいかわからないほど難解で、結末も「????」で一杯でした。しかし、その不思議感がイン作家の作品の魅力です。誰が誰を愛しているのか、結末はどう解釈したらいいのか、それは視聴者が自分なりに決着をつけるしかありません。それだけに気になるファンは、何度もドラマを見返して推測しようとするのですが、さらにわからなくなるようです。それぞれが、いろんな事情とトラウマを抱えているイ・ナヨン、キム・ミンジュン、キム・ミンジョン、ヒョンビンの4人の主人公に対し、誰に感情移入するかが視聴者によってまったく違ったのも特徴です。それは視聴者の深層心理が、誰の心理に近いかが作用するからかもしれません。こう書くと、ますます「どんなドラマなの?」と気になってしまう方も多いことでしょう。とにかく説明が難しいので、直接ご覧になってイン・ジョンオク作家が描き出す迷宮の世界に足を踏み入れてみてください。(ネット配信しているサイトもあるようです。)

 長いセリフでストレートに感情をぶつけるノ・ヒギョン作家に対し、短く淡々とした言葉で心の動きを表現するイン・ジョンオク作家。タイプは違いますが、私はどちらの作品も大好きです。わかりやすい展開に、ロマンチックなシュチュエーション、イケメン勢ぞろいの韓国ドラマももちろん面白くて好きですが、いつも脂っこいものばかり食べていると、時々はお口直しに和食が食べたくなるものです。コテコテにドラマッチックな韓国ドラマを見る合間に、地味だけどじわじわと感動させられる”カルトドラマ”でお口直しをするのもお勧めですよ!
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