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『夢友(ユメトモ)』キム・ソナ代表「新鮮な公演のみお見せしたい」


最近、日本と韓国で密かに話題になっている公演がある。今は、小さな波だが、後々大きな波になる可能性を秘めた公演でもある。その公演とは、『夢友(ユメトモ)』。韓国のミュージカル俳優たちが日本で繰り広げるコンサート形式のこの公演は、きらりと光るアイデアやユニークな構成で、ミュージカルファンのみならず、公演業界からも注目を浴びている。

『夢友(ユメトモ)』は、昨年11月から『夢のVoice』、『夢のChristmas』、『夢のValentine』など3つの「夢シリーズ」と3つの「親友シリーズ(親友物語)」が上演されており、今年11月7日には、「夢友1周年記念コンサート」公演が予定されている。

これらの公演を企画したのは、夢友のキム・ソナ代表。明るい雰囲気と柔らかい物腰の「親切なソナさん」は、公演に関する話を始めた途端、その目には情熱が満ちていた。キム・ソナ代表の情熱、勇気そして根拠ある自信について、イノライフが話をきいた。

キム・ソナ代表は、夢友を開始する前から、日本と密接な関係を持ち続けてきた。日本に留学し、それをきっかけに放送局で日本語の翻訳をしたこともあり、日本の地方自治団体の広報業務に携わるなど、日本に関連した様々な経験を積んできた。「日本に頻繁に来ていました。1年間に12回以上、日本に来るような生活をしていました。その頃、韓流イベントをたくさん観る機会に恵まれましたが、日本で行われているミュージカル俳優たちのコンサートにはとても限りがあると感じました。そのせいか、少し残念な部分が見えはじめ、そういった部分を埋めてみたいと言う思いが沸いて来たんです。よく知っている分野を通して、新鮮な楽しさを与える公演を企画してみたくて、この仕事を始めることにしました」


『夢友(ユメトモ)』は、かなり新鮮だった。日本で行われている「韓流イベント」といえば、トップスターやアイドルグループを中心に行われるケースがほとんどだが、キム・ソナ代表は、韓国のミュージカル俳優たち、それも大学路小劇場で活動をする俳優を中心にコンテンツを企画した。

「大学路で活動する俳優の方々は、本当に才能に溢れています。そのため、彼らと一緒に公演をしてみたかったんです。ご覧いただく方たちには、新鮮な面白さを、出演される俳優の方たちは、新しい姿を披露することができる舞台を作ってみたかったのです。しかし、キャスティングが本当に大変でした。最初の頃、私たち(=夢友)には、あまりにも力がありませんでした。そのため、思うようにキャスティングできるような状況ではありませんでしたが、1度出演してくださった俳優のイム・ヒョンスさんと2度出演していただいたバク・ホサンさんに大変助けられました。二人の助けを借りて、2度目のキャスティングを行うことができることになり、そのように2回行われたことで、3回目から少し楽になりました。以前派、キャスティングするために、私たちの公演について毎回1時間くらいブリーフィングを行っていましたが、今は俳優の方々に連絡を差し上げる際、「夢友ですが」と言うだけで、分かっていただけます。」

大変なのは、キャスティングだけではなかった。新たな挑戦を始めるには、何故こんなに大変なことが山積みなのだろうか。それなりによく知っていると思っていた日本市場で、自分が好きな分野のコンテンツに対する自信を持ってスタートしたが、やはり現実は冷たかった。「今考えてみると、始めたばかりの頃、勇敢だったというより無知だったなと思います。そうでなければ、始めることもできなかったかもしれませんが。実際に、ぶちあたった現実は、私が予想していたよりもはるかに冷たいものでした。私たちの会社が、小さいせいもあって、企画力はあるけれど、技術力が不足していました。その部分を補完するために、日本で多くの業者とミーティングをし、準備もしましたが、それにも関わらず、実際にいざ上演してみたら、足りない部分があまりに多かったんです。1回目を観に来られた方々には、いまだに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。十分に準備が整っていない状況で上演されたと言う感じが否めず、残念な思いと申し訳ないと言う思いから、公演終了後、本当に大泣きました。案の定、多くの酷評も受けました。けど、そのとき、絶対やり遂げてみせる!と言う思いが生まれました。2回目からは、VCRで一つ一つ撮って、日本と韓国を行ったり来たりしながら調整しました。そのおかげか、2回、3回と公演を重ねるうちに、公演が発展していく様子が、また、喜んで下さるお客さまが増えていく様子が目に見えました。4回目の公演でもあり、「親友の話」の第1回目では、とても多くの方が喜んでくださいました。私はいつも公演をモニタリングするために、ロビーや客席後方で立って観ていることが多いのですが、その時は、後ろから見守りながら、ああ、この公演は酷評ではないだろうなと感じました。すると、日本の方、韓国の方、ファンクラブの方皆さんが、公演終了後、会場を後にしながら私の手をつかんで、ありがとうと言ってくださったんです。その時は本当に胸が一杯になりました。」
実のところ、韓国にはミュージカル俳優たちが登場するコンサート形式の公演が、かなり沢山ある。それにも関わらず『夢友(ユメトモ)』は特別である。その特別さは、キム・ソナ代表の企画から既に始まっていた。「企画会議の最初の段階は、俳優の傾向を把握することから始まります。俳優の傾向を把握し、その人が許容できる範囲で観客がまだ観たことのないものを見つけることが最も重要です。俳優のキャスティングが決まると、その俳優が過去にどのようなコンサートをしたことがあるのかを調査し、そのコンサートのセットリストを全て見ながら、ダブっている曲を外します。「歌ったことのない歌、2曲以上」が、私達の基準とでも言いましょうか。そして、なるべく俳優の今までとは異なる点を浮き彫りにすることができるインパクトのあるもの用意しようとしています。企画会議だけで、2週間くらい時間をとります。観客の方々のリクエストも積極的に取り入れようと思っていて、私たちもしっかりチェックしていますので、ぜひ観てみたいと思う舞台をリクエストしていただきたいです。」

キム・ソナ代表の情熱と愛情がいっぱい詰まった『夢友(ユメトモ)』は、今年11月、1周年を迎える。1周年記念公演には、俳優のイ・ヒョン、チョン・ドンファ、ペ・ドゥフンが舞台に上がる。特別なこの公演に三人がキャスティングされた理由は、なんだろう?「夢友の1周年ですが、正確には「夢シリーズ」の1周年となります。「親友シリーズ」が1周年を迎える来年は、また違った公演も準備中です。今回の公演には、「夢シリーズ」の初舞台に上がったペ・ドゥフンさんと3回目の公演に出演したチョン・ドンファさん、またお二人と一緒にお仕事をされたイ・ヒョンさんが、キャスティングを快諾してくださり、三人が一緒に公演を作っています。三人の俳優の方々のボイスカラーもよく合い、写真撮影を見たのですが、似たような雰囲気をお持ちで、息のあった公演に仕上がるのではないかと思っています」

作品に対する溢れる愛情と自信を得たら、自然ともう少し、多くの人に知ってもらいたいと言う欲も出てくる。『夢友』もより多くの人に知ってもらえるよう準備中だ。今月には、韓国での公演を予定しており、来年には日本公演の規模も大きくする予定である上、上海公演の話も出ている。舞台のみならず、TVにも進出する予定だ。 「日本で『夢友』は、画期的だと好評を得ました。その延長線上で、『夢友』が、韓流イベント公演としてだけでなく、企画、制作分野でのアイデアや企画力で評価を受けることができる一つのコンテンツになったらいいなと思っています。そして、『夢友』ときいただけで公演を観に来てくださるような常連のお客様が、たくさんできれば良いなと言うのが、私の願いです。」