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伝統衣装の脈を受け継ぐカン・シンオク先生に会う。


お若い頃から伝統衣装の韓服に携わるようになった特別なきっかけがおありですか?

大学入試を受ける年の頃、複数の事業を手掛けていた実家の父の事業が厳しくなり、大学進学をあきらめるしかありませんでした。
女性の一生の仕事として、安定した収入にもつながるだろうという実家の母の知人の勧めで、高校を卒業後から始めて、もう30年になりました。

長い間、韓服に携わってきて、自分だけの特別な感じがあるとしたら、何でしょうか。

二十歳という若い年齢で一から始めて、この職を手にするようになりましたが、一度も他の仕事をしてみようと思ったことがありません。
韓服は鮮やかな色と柔らかな曲線でつながる、神秘的で、魅惑的な衣装です。
基本の型を持つ衣装に、色と色を組み合わせて楽しむ、私には全然退屈ではなく、おもしろい色遊びでした。
特に、伝統を守りつつ研究して復習し、現在は各分野で伝統と現代が調和するフュージョンが流行していますが、私はそれなりの伝統を固守していると思います。


ますます低迷する伝統衣装の脈を繋ぎとめるための特別な代案があればどんなものだと思いますか?

近い国、日本では高価であるにもかかわらず、成人式や結婚式、卒業式で、そして夏の様々な祭りの期間に、街でよく着物や浴衣を着た姿を見かけますが、最近韓国では韓服を着ると周囲の視線が気になると言う人もいます。
幼い頃から文化の中で自然に韓服を身近なものとして感じ、伝統を身につけていく事が重要だと思います。
自分の名前をかけた変わった色の作品世界に対する誇りがあるとすれば?

韓服に携わっていると、きれいな布の切れ端がもったいなくて、あれこれつなぎ合わせて綿を入れ、立体感を生かしてみたら、自然と作品になったので、一つずつ作ってプレゼントしていたのが、今では小さいながらも個人 展を開くことができるくらいになりました。
そうすると思いがけず、興味を持って学ぼうとする人々が増え、生徒の育成まで行うようになりました。
時と場所を問わず学ぼうとする方に、難しい裁縫を簡単に教えると言われるようになり、
"青出於藍"という言葉まで聞くようになりました。
最近は手縫い仕事が、精神的健康によいとして裁縫を学びにいらっしゃる年配の方が多くなっています。
スタートした頃には、母親と手つないでついて来ていた子供たちが、今では大人になって婚礼衣装を用意するためにやって来たりします。
このような一人一人との縁が、私の仕事に対するやりがいであり、これから20年以上は軽々とやりこなしていける情熱を与えてくれる原動力だと思います。
極めて個人的な願いがあるとすれば、韓服を仕立てる人としてカン・シンオクと言えば、伝統を守り、"端麗な韓服を仕立てる人だ。"と、言われるようになりたいです。